【かくして電子マネー革命はソニーから楽天に引き継がれた ―「楽天Edy」誕生秘話と苦闘の歴史 ― 】インフキュリオン カード・ウェーブ編集部発行

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    かくして電子マネー革命はソニーから楽天に引き継がれた

    ―「楽天Edy」誕生秘話と苦闘の歴史 ―

     

    宮沢和正

     

    今や“国策”となった、決済のキャッシュレス化推進。その一翼を担う電子マネーの代表格として知られる「楽天Edy」の誕生は、21世紀最初の年にまで遡る。当時、エレクトロニクス産業の雄として世界を席巻していたソニーから生まれた「Edy」だが、その普及に向けた道程は思いもかけぬ試練の連続で、ついには楽天への事業売却にまで至ってしまう‥‥。日本の電子マネービジネスの立役者でもある著者が、「楽天Edy」の誕生秘話と苦闘の歴史を赤裸々に綴った注目の一冊。


    第1章 それは1本のプロモーションビデオの「夢物語」から始まった

      1. 垣間見えた新しいビジネスモデルの芽

      2. Edyの原点に辿り着く

      3. 金融事業への挑戦を決意


    第2章 紆余曲折を経てEdy誕生へ

      1. 満身創痍の電子マネー提案活動

      2. EMOの「Edy!」実証実験の成功で道が開ける


    第3章 「Edy!」から「Edy」への船出

      1. 日本のインフラを目指し「ソニー」の社名を外す

      2. オープン環境での展開に成功しスーパーへの導入が進む

      3. 伸び悩みに陥るもマイレージとのタッグで再離陸

      4. 多様な展開が進むもキャッシュカードへの搭載で再び苦杯


    第4章 インターネットの世界への進出

      1. 難産だったSuicaへのEdy搭載

      2. おサイフケータイで見えたネット決済の課題

      3. ECの世界につながる四つのゲートウェイを実現


    第4章 法規制との戦いと4陣営乱立の荒波

      1. 体当たりで法規制強化を撃破

      2. 4方式に分かれ電子マネー戦国時代に突入

      3. 赤字克服道半ばで崖っぷちに追いつめられる


    第6章 「Edy× 楽天」の融合で最強の電子マネー事業へ

      1. 電子マネー「Edy」はソニーから楽天へ

      2. こうしてチャージのハードルは引き下げられた

      3. 着実に進んだシナジー効果の拡大

      4. 新しい動きに対応したさまざまな新規技術に果敢に挑む

     

    終章 夢は海外展開! 挑戦は続く

      1. アップル製品へのFeliCa搭載で新展開

      2. 悲願の黒字化も成長への一里塚


    発行 螢ぅ鵐侫ュリオン カード・ウェーブ編集部

    装丁 四六判 265ページ

    定価 1,800円(税別)

    ISBN 978-4-908090-06-6


    ※以下は書籍本編からの抜粋です。


    □幻の“キャッシュカード構想”

    「各銀行への声掛けや、協議会の準備はすべてわれわれで行います。ソニーさんは大船に乗ったつもりでいて下さい」
    と、F銀行の担当者は自信満々だった。
    「日本中の銀行キャッシュカードにFeliCa が搭載されれば、日本人全員がFeliCa カードを持つことも夢ではない。FeliCa のインフラはますます盤石なものになる」
     われわれは、天下を取ったような心持ちで舞い上がっていた。

    (本書P56より)


    □予想外の“空中分解”
     やがて協議が進むにつれて、われわれはその内容に徐々に違和感を覚え始めた。キャッシュカードのIC化についての議論をしているのだが、話の中心となっているのはなぜかFeliCaではなく、別方式の「接触ICカード」なのだ。
    「どうも様子がおかしい」
    と気付いた時には、すでに手遅れであった。
    (本書P59より)


    □難航した出資比率の調整
    「残念ながらトヨタの希望に沿えないが、シェアは15%でお願いしたい」
    と伝えた。
     応接室内に重苦しい空気が流れて沈黙が続いた次の瞬間、今まで明るかった空にみるみるうちに暗雲が立ち込めて真っ暗になり、窓の外は雷鳴とともに滝のような豪雨が降り出したのだ。あまりのタイミングの悪さに、両者ともぼう然として10分以上もの間、沈黙が続く状況となってしまった。

    (本書P85より)


    □「Edy搭載Suica」の可能性
     JR東日本のSuicaは2001年11月の導入当初、鉄道などの交通乗車券としての利用に限定されていた。
     Edyのサービスが同年11月にスタートして間もなくのこと、JR東日本から、「電子マネーに関する勉強会を共同で実施したい」との申し入れがあった。

    「Suicaのメモリー空き領域にEdyを搭載する可能性も含めて検討したい」
    とのことだった。

    (本書P123より)


    □ドコモへのアプローチの失敗

     しかし、当の夏野さんの口からは驚愕の言葉が発せられた。

    「なんでEdyは真っ先にiモード部隊のところに来なかったの? JR東日本は常務もSuicaの責任者も、もうとっくの昔に依頼に来たよ。だから、僕らはSuicaを非常に大事に思っている」
     私はこの瞬間、「しまった」と思った。

    (本書P137より)


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