【越えてくる者、迎えいれる者】アジアプレス刊

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    【越えてくる者、迎えいれる者】アジアプレス刊

     

    本体1380円

    四六判並製本

    286ページ

    ISBN:978-4-904399-13-2

    訳者: 和田とも美(ワダトモミ)

    著者: 以下13名

     

    ト・ミョンハク

    イ・ジミョン

    ユン・ヤンギル

    キム・チョンエ

    ソル・ソンア

    イ・ウンチョル

    李青海(イチョンヘ)

    李平宰(イビョンジェ)

    鄭吉娟(チョンキルユン)

    尹厚明(ユンフミョン)

    李星雅(イソンア)

    方昊(パンミンホ)

    愼珠熙(シンジュヒ)

     

    韓国入りした北朝鮮人作家6人と、韓国の作家7人による共同小説集。脱北作家たちの作品からは、窺い知ることが難しい北朝鮮民衆の暮らしぶりを知ることが出来る。


    ユン・ヤンギル作「つぼみ」では、浮浪児(コチェビ)たちの逞しく生きる姿と悲劇の結末が、またキム・チョンエ作「願い」では、漁師と浮浪者親子のささやかな願いすら打ち砕かれる密告社会の有様が描かれる。ソル・ソンア作「チノクという女」では、闇市場で頭角を現し、性の抑圧から脱却してゆく女性の姿が生き生きと描かれ、イ・ウンチョル作「父の手帖」では、脱北して韓国の大学に通う主人公とその父を通して、韓国社会との埋められない溝を滲ませる。


    一方、韓国人作家の作品の多くは、脱北者を迎えいれることに焦点を当てる。鄭吉娟の「六月の新婦」は、朝鮮戦争の捕虜として北朝鮮に抑留され、脱北して韓国に入国しようとする夫と、60年間夫を待ち続け、最期のときを迎えようとする妻の物語だ。李青海「どこまで来たの」は、脱北女性との恋愛を通して、どこまで相手の人生を受け入れるのかという切実な問題を浮かび上がらせる。愼珠熙「四つの名」は、韓国に定住した脱北女性の孤独と、彼女を取り巻く韓国の人々の無関心、無理解を丁寧に綴る。韓国社会における脱北者受け入れの困難さと、その現実に向き合おうとしない韓国文壇の姿を指摘する訳者・和田とも美氏の解説も読み応えがある。


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